離婚の手続き|離婚届・氏の選択・年金分割の期限

結婚・戸籍 公開日 / 最終更新日 / 情報確認日 / 執筆 トムシ

結論

協議離婚の届出は随時、裁判離婚は確定から10日以内。婚姻中の氏を続けるなら3か月以内、国保・年金は14日以内、年金分割は原則5年以内です。

離婚は、話し合いで成立する協議離婚なら離婚届が受理された日に成立します。届そのものに期限はありませんが、その後は氏の選択、健康保険、年金、子どもの手当など、期限つきの手続きが続きます。2026年4月1日からは、離婚後の親権や養育費、年金分割のルールも変わりました。この記事では、主な手続きを順番と期限で整理します。

手続きの期限と窓口の一覧

手続き期限・時期窓口
離婚届(協議離婚)随時(受理日が離婚日)届出人の本籍地または所在地の市区町村
離婚届(調停・審判・判決・和解)成立・確定の日から10日以内市区町村
婚姻中の氏を続ける届(戸籍法77条の2の届)離婚の日から3か月以内市区町村
マイナンバーカードの記載変更変更から14日以内住民票のある市区町村
国民健康保険の加入資格を得た日から14日以内お住まいの市区町村
国民年金の種別変更(第3号から第1号へ)14日以内市区町村または年金事務所
児童手当・児童扶養手当受給する人が速やかに申請お住まいの市区町村
年金分割の請求離婚の翌日から原則5年以内年金事務所

住所が変わる人は、引っ越しの手続き一覧の転出・転入届(14日以内)もあわせて進めてください。

離婚後の手続きの手順

  1. 親権者と養育費・親子交流を話し合う:未成年の子がいる場合、離婚届に親権者を書きます。2026年4月からは、父母の協議で双方または一方を親権者にできます。
  2. 離婚届を出す:協議離婚は成年の証人2名の署名と本人確認書類を用意します。裁判離婚は調停調書の謄本などを添えて、10日以内に出します。
  3. 氏を選ぶ:婚姻で氏を改めた人は原則として旧姓に戻ります。婚姻中の氏を続けたい場合は、3か月以内に77条の2の届を出します。
  4. 住所・マイナンバーカードを直す:転居・転入と、氏名が変わった人はカードの記載変更を14日以内に行います。
  5. 健康保険と年金を切り替える:元配偶者の扶養から外れる人は、国民健康保険への加入や勤務先の健康保険の手続き、国民年金の種別変更をします。
  6. 子どもの手当を申請する:子と暮らす親が、児童手当の受給者変更や児童扶養手当の申請を市区町村で行います。
  7. 年金分割を請求する:婚姻期間中の厚生年金記録を分ける場合は、期限内に年金事務所へ請求します。

離婚届と2026年4月の改正点

法務省によると、離婚届は届出人の本籍地または所在地の市区町村に出し、手数料はかかりません。協議離婚では成年の証人2名の署名が必要で、押印は任意です。裁判離婚は、裁判が確定した日から10日以内に届け出ます。裁判所の案内では、和解・判決による離婚でも届出は必要で、期間内に届け出ないと過料の対象になることがあります。

2026年4月1日に施行された改正民法の主な変更点は次のとおりです(法務省のパンフレット・概要資料より)。

項目改正前2026年4月以降
離婚後の親権者父母の一方のみ父母双方(共同親権)または一方を選べる
養育費の取り決めがない場合請求には取り決めが必要法定養育費として子1人あたり月額2万円を請求可能
取り決めた養育費の差し押さえ公正証書・調停調書などが必要父母間で作った文書でも申立て可能(子1人あたり月額8万円まで)
財産分与の請求期間離婚後2年離婚後5年(施行前の離婚は2年のまま)

試算例:改正後に離婚し、養育費をまだ取り決めていない子2人の場合、法定養育費は2万円×2人で月額4万円です。ただし、法務省はこれを取り決めまでの暫定的な制度と位置づけており、収入に応じた適正な額を協議や家庭裁判所の手続きで決めることを勧めています。

氏と戸籍、子どもの氏

裁判所の案内によると、婚姻で氏を改めた人は、原則として離婚で旧姓に戻り、婚姻前の戸籍に戻るか新しい戸籍を作ります。婚姻中の氏を続ける届を出すと、新しい戸籍が作られます。この届のあとに旧姓へ戻りたくなった場合は家庭裁判所の許可が必要で、許可されないこともあるため慎重に選びましょう。

子どもの戸籍と氏は、親が戸籍を移っても自動では変わりません。子を自分の戸籍に入れるには、子の住所地の家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立て、許可後に市区町村へ入籍届を出します。申立費用は子1人につき収入印紙800円と郵便切手です。

健康保険・年金・子どもの手当

厚生労働省は、国民健康保険の加入・脱退は14日以内に届け出るよう案内しています。日本年金機構のしおりでは、離婚などで配偶者に扶養されなくなった第3号被保険者は第1号への種別変更が必要で、14日以内の手続きが求められます。免除・猶予の相談を含め、国民健康保険・国民年金の加入手続きと免除・軽減も参考にしてください。

こども家庭庁によると、離婚協議中で別居している場合を含め、父母が生計を同じくしていないときは、児童手当は子と同居している人に支給されます。児童扶養手当は、親権の有無ではなく子を監護している実態で対象者を判断するため、共同親権を選んでも受給の可否は変わりません。

児童扶養手当(令和8年4月からの見込額)全部支給一部支給
子1人目(月額)48,050円48,040円〜11,340円
2人目以降の加算(1人につき月額)11,350円11,340円〜5,680円

試算例:全部支給の対象で子が2人なら、48,050円+11,350円=月額59,400円です。支払いは奇数月の年6回です。所得制限があるため、実際の額は市区町村で確認してください。

年金分割

日本年金機構によると、年金分割は婚姻期間中の厚生年金記録を分ける制度で、当事者の合意か裁判手続きで割合を決める「合意分割」と、第3号被保険者だった人が合意なしで請求できる「3号分割」があります。請求期限は離婚の翌日から原則5年ですが、2026年4月1日より前に離婚した人は従来どおり2年です。期限を過ぎると請求できないため、早めに年金事務所へ相談しましょう。

チェックリスト

  • □ 親権者、養育費、親子交流について話し合った
  • □ 離婚届(証人2名・本人確認書類、または調停調書など)を出した
  • □ 婚姻中の氏を続けるか決め、続ける場合は3か月以内に届け出た
  • □ 住所・マイナンバーカードの変更をした
  • □ 国民健康保険・国民年金(または勤務先の保険)を切り替えた
  • □ 児童手当・児童扶養手当を申請した
  • □ 子の氏の変更や入籍届が必要か確認した
  • □ 年金分割の期限(原則5年)を確認した

よくある質問

Q. 2026年4月より前に離婚した場合も法定養育費を請求できますか?

A. できません。法務省のパンフレットでは、法定養育費は改正法の施行後に離婚した場合のみ対象です。それ以前の離婚では、協議や家庭裁判所の手続きで養育費を取り決めます。

Q. 婚姻中の氏を続ける届は離婚届と同時に出せますか?

A. 出せます。期限は離婚の日から3か月以内で、過ぎた場合は家庭裁判所の許可が必要になります。

Q. 年金分割の期限は2年ではないのですか?

A. 2026年4月1日以降の離婚は原則5年、それより前の離婚は2年です。離婚日で期限が変わるため、離婚届の受理日を確認しておきましょう。

Q. 共同親権にすると、児童扶養手当はもらえなくなりますか?

A. こども家庭庁などの資料では、児童扶養手当は子を監護している実態で判断され、所得制限も受給者本人の所得で算定するため、共同親権であること自体は影響しないとされています。

出典

情報確認日:2026年10月14日。児童扶養手当の金額はこども家庭庁資料の見込額で、所得により異なります。親権・養育費・財産分与などの判断は個別の事情によるため、家庭裁判所、弁護士、法テラスなどの専門窓口に相談してください。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事情に応じた法律・税務などの助言ではありません。制度の内容や期限は変更されることがあり、お住まいの市区町村や勤務先によって取り扱いが異なる場合もあります。手続きの前に、記事末尾の出典(公式ページ)と窓口で最新の情報をご確認ください。本記事の情報は2026-10-14時点で確認したものです。