老齢年金の請求手続き|年金請求書の出し方と提出先

年金・健康保険 公開日 / 最終更新日 / 情報確認日 / 執筆 トムシ

結論

老齢年金は請求しないと始まりません。受給開始の3か月前に請求書が届き、提出は誕生日の前日以降です。

老齢基礎年金と老齢厚生年金は、権利ができても自動では振り込まれません。届いた年金請求書を、誕生日の前日以降に出します。納付や免除は国民健康保険・国民年金の加入手続き、収入が少ない人への上乗せは年金生活者支援給付金の請求を参照してください。

この記事は、年金請求書の出し方、提出先、電子申請の条件、期限を扱います。繰上げ・繰下げで月額がいくら変わるかの比較は、くらしの節約ノートの記事を見てください。

請求書が届く時期

受給開始年齢の3か月前に、加入記録を印字した「年金請求書(事前送付用)」が届きます。もれがあれば提出前に年金事務所へ問い合わせます。日本年金機構が令和8年に送る対象は次のとおりです。最終の記録が共済だけの人には、共済組合から届きます。

届く人条件
63歳になる女性(昭和38年4月2日〜昭和39年4月1日生まれ)加入10年以上、かつ厚生年金と共済が合わせて1年以上
65歳になる人(昭和36年4月2日〜昭和37年4月1日生まれ)男性は加入10年以上。女性は加入10年以上で、厚生年金と共済が1年未満

老齢基礎年金は受給資格期間10年以上で原則65歳から、老齢厚生年金はその人への上乗せです。両方を繰り下げるなら65歳の請求書は出さなくてよい、と日本年金機構は案内しています。特別支給に繰下げはありません。

令和8年度の満額と増減率

年金額は毎年度改定されます。次の額は令和8年4月分(6月15日支払分)からです。

生年月日満額の年額公表の月額
昭和31年4月2日以後生まれ847,300円70,608円
昭和31年4月1日以前生まれ844,900円70,408円

満額は480月すべて納付した額です。昭和31年4月2日以後生まれは847,300円×(納付月数+免除の換算)÷480月で、平成21年4月以後は、全額免除が8分の4、4分の1納付が8分の5、半額納付が8分の6、4分の3納付が8分の7です。平成21年3月までの免除は率が違います。未納や、追納していない学生納付特例・納付猶予は年金額に入りません。見込額はねんきん定期便かねんきんネットで確認します。機構のモデル月額237,279円は、平均標準報酬45.5万円で40年の厚生年金と2人分の基礎年金満額を合わせた額で、ひとりの額ではありません。

繰上げは60歳からで、昭和37年4月2日以後生まれは1月0.4%減(60歳0か月で24.0%)、それ以前は1月0.5%減(60歳0か月で30.0%)です。繰下げは66歳から75歳まで1月0.7%増(70歳0か月42.0%、75歳0か月84.0%。昭和27年4月1日以前生まれなどの上限は70歳で42%)です。繰上げは基礎と厚生を原則同時に、繰下げは片方だけでもできます。繰上げ後は取り消せず、任意加入・追納・事後重症の障害年金の請求もできません。65歳まで雇用保険の基本手当などを受けると、老齢厚生年金が一部または全部止まることがあります(繰上げした基礎年金は止まりません)。

満額で比べた試算

次は、昭和31年4月2日以後生まれの満額847,300円に、昭和37年4月2日以後生まれの率を掛けた年額です。加給年金、振替加算、報酬比例部分、在職停止、税金、社会保険料は入れていません。

開始年齢計算年額
60歳0か月847,300円×(1−0.24)643,948円
65歳増減なし847,300円
70歳0か月847,300円×1.421,203,166円
75歳0か月847,300円×1.841,559,032円

累計は「開始年齢から、その年齢になるまでの年数×年額」です。受給権が発生した月の翌月分から払われることや、誕生月の端数月は含めていません。

開始年齢80歳になるまで90歳になるまで
60歳0か月20年・12,878,960円30年・19,318,440円
65歳15年・12,709,500円25年・21,182,500円
70歳0か月10年・12,031,660円20年・24,063,320円
75歳0か月5年・7,795,160円15年・23,385,480円

この前提では、80歳になるまでの累計は60歳開始、90歳になるまでは70歳開始が最も多くなります。寿命は人によるので、どの年齢がよいかを示す表ではありません。納付360月で免除も未納もない場合、65歳は847,300円×360÷480=635,475円、60歳0か月は635,475円×0.76=482,961円、75歳0か月は635,475円×1.84=1,169,274円です。

老齢年金を請求する手順

  1. 加入記録を確認する:届いた請求書の基礎年金番号と手元の番号を比べ、空白期間があれば提出前に年金事務所で確認します。
  2. 開始時期を決める:65歳から受け取るか、繰上げか、繰下げかを決めます。繰上げは取り消せず、減額は生涯続きます。
  3. 添付書類をそろえる:受取口座が分かる通帳などのコピーを用意します。マイナンバーを書くと、本人の戸籍や住民票を省略できる場合があります。
  4. 誕生日の前日以降に提出する:紙の請求書は年金事務所へ郵送するか、予約した窓口へ持参します。電子申請の案内が同封され、条件を満たす人はマイナポータルから出せます。
  5. 年金証書を確認する:提出から約1〜2か月後に「年金証書・年金決定通知書」が届き、さらに1〜2か月後に振込が始まります。受給権が発生した月の翌月分から、原則として偶数月の15日(土日祝は直前の平日)に2か月分が振り込まれます。

受けられるようになってから5年を過ぎると、5年を過ぎた分は時効で受け取れなくなる場合があります。

電子申請・提出先・添付書類

項目電子申請窓口・郵送
使える人「電子申請のご案内リーフレット」が同封された人同封がない人、下の条件に当たる人
口座公金受取口座だけ通帳のコピー、金融機関の証明、または公金受取口座
繰上げ・繰下げできない請求書の欄か別様式で申し出る
時期誕生日の前日以降、その日から10か月を経過する日まで誕生日の前日以降。5年の時効の案内あり

リーフレットは、未加入期間や共済記録がなく、納付済と免除の合計が25年以上、などの条件をすべて満たす人に同封されます。公金受取口座以外、住民票と違う送付先、成年後見人等の請求、別居・内縁・前年の年収850万円(所得655.5万円)以上の配偶者がいる場合は紙です。カードはマイナンバーカードの申請・受け取り・更新を見てください。

提出先は、第1号期間だけの人は市区町村、それ以外は年金事務所か街角の年金相談センターです。窓口は予約し、電話は0120-08-6001(月曜8:30〜19:00、火〜金曜8:30〜17:15、第2土曜9:30〜16:00。ほかの土曜・日曜・祝日と12月29日〜1月3日は休み)です。戸籍・住民票は受給権発生日以後かつ提出日前6か月以内です。取り方は戸籍謄本の取り方と住民票の写しの取り方です。配偶者や子のマイナンバーを書くと加給用の戸籍などを省略できる場合があり、特別支給か繰上げで過去7年以内に雇用保険へ入っていた人は被保険者証などのコピーが要ります。

65歳前の特別支給と加給年金

特別支給は、男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前生まれで、受給資格10年以上・厚生年金等1年以上の人が対象です。共済から出る分の開始年齢は女性も男性と同じです。報酬比例部分は次のとおりで、昭和24年4月2日以後の男性と昭和29年4月2日以後の女性に定額部分はありません(厚生労働省)。

性別生年月日報酬比例部分
男性昭和36年4月2日以後65歳(特別支給なし)
女性昭和37年4月2日〜昭和39年4月1日63歳
女性昭和39年4月2日〜昭和41年4月1日64歳
女性昭和41年4月2日以後65歳(特別支給なし)

厚生年金20年以上の人が、65歳時点で生計を維持する65歳未満の配偶者などがいると加給が付きます(届出が必要)。令和8年4月からの配偶者分は年額243,800円、昭和18年4月2日以後生まれの受給権者は特別加算179,900円を足して423,700円です。加給と振替加算は繰下げでも増えず、待機中は受け取れません。退職時の切り替えは退職したときの手続きです。

チェックリスト

  • □ 請求書の加入記録と、手元の基礎年金番号を突き合わせた
  • □ 65歳・繰上げ・繰下げのどれにするか決めた(繰上げは取り消せない)
  • □ 電子申請のリーフレットの有無と、公金受取口座を確認した
  • □ 提出が誕生日の前日以降になるよう、予約か郵送の日を決めた

よくある質問

Q. 年金請求書をなくしました。もう一度もらえますか?

A. 日本年金機構は様式第101号を公開しています。65歳以後にこの様式で請求するときは「老齢年金の受取方法確認書」も出します。繰下げなら「支給繰下げ申出書」も要ります。事前送付用なら、受取開始時期の欄を書けばこの2つは省略できます。

Q. 66歳以後に繰り下げるなら、65歳で届いた請求書は出しますか?

A. 両方を後日繰り下げる場合、日本年金機構は現時点で出さなくてよいとしています。75歳に達した月を過ぎても増額率は増えません。特別支給の老齢厚生年金に繰下げはないので、受給権が発生したら請求します。

Q. 60歳から繰り上げたあと、65歳から満額に戻せますか?

A. 戻せません。取り消しはできず、減額は生涯続き、支給は請求した日の翌月分からです。雇用保険の基本手当を受ける予定があるときは、請求前に年金事務所へ相談してください。

出典

情報確認日:2026年10月22日。年金額は毎年度改定されます。試算は、公表されている満額と増減率から年額を掛けたもので、年金証書の決定額そのものではありません。請求前に、日本年金機構の案内と年金事務所で確認してください。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事情に応じた法律・税務などの助言ではありません。制度の内容や期限は変更されることがあり、お住まいの市区町村や勤務先によって取り扱いが異なる場合もあります。手続きの前に、記事末尾の出典(公式ページ)と窓口で最新の情報をご確認ください。本記事の情報は2026-10-22時点で確認したものです。